食品製造にかかわる商品開発担当者・研究者のための情報サイト

powered by 群栄化学工業株式会社

糖の基礎知識

糖に関する基礎情報をまとめました。
  • 澱粉糖の基礎知識

    澱粉糖とは

    澱粉は、ブドウ糖を構成単位とする高分子で、直鎖状のアミロースと分岐したアミロペクチンからなります。
    澱粉は、液化酵素、または酸を触媒として、加水分解されデキストリンとなります。
    デキストリンは、糖化酵素によりさらに分解され、ブドウ糖や水飴(ブドウ糖2分子から構成)等の糖になります。
    ブドウ糖は異性化酵素により、異性化され、果糖になります。
    すなわち、酵素の種類をかえることにより、様々な糖類を製造することができます。
    これらは澱粉を原料とする糖なので澱粉糖と言います。

    澱粉糖の種類

    澱粉は、穀類、イモ類に多く含まれます。これらは、由来が異なるとその性質が異なります。
    馬鈴薯澱粉は、澱粉にリン酸基結合しているため、リン含量が多いという特徴があります。特に、粒径やアミロース含量が異なるため、糊化した時の物性がかわります。
    糊化特性はアミログラフにより確認することができます。
    アミログラフは、一定速度で昇温し、そのときの粘度を測定する装置です。
    馬鈴薯澱粉は、糊化温度が低く、粘度が高いという特徴があります。

    澱粉糖の製造に使われる主な澱粉

    ①穀物澱粉

    • コーンスターチ(とうもろこし)

    ②いも類澱粉(地下茎)

    • 馬鈴薯澱粉(じゃがいも)
    • 甘藷澱粉(さつまいも)
    • タピオカ澱粉(キャッサバ)

    アミロースとアミロペクチンについて

    澱粉粒の構造は、1969年に二國二郎先生より提唱されました。
    その後の研究で、澱粉はアミロースがらせん状を取ること、結晶構造と非晶構造が繰り返されることなどがわかってきました。

    アミロース

    D-グルコースがα1→4結合でつながったもので、D-グルコースが6~7個で1回転する「らせん構造」をとることができ、分子量は数十万である。

    アミロペクチン

    α1→4結合からなる鎖のところどころに、α1→6結合による枝分かれのある構造をしている。アミロースとアミロペクチンの含有割合はデンプンの種類によって異なり、もち米のデンプンのようにほとんどアミロペクチンしか含まないものもある。

    澱粉糖の種類

    澱粉糖の分類

    澱粉糖は、JAS規格品(ブドウ糖、異性化糖)とJAS規格外品に分かれます。
    JAS規格品は、原料、製法、規格等が細かく規定されています。一方、水飴、粉飴はJASで規定されていないため、各メーカー毎に規格を自由に決めています。
    なお、液状品を水飴、粉体品を粉飴といいます。水飴は製法により、酸糖化、麦芽、酵素糖化に分類され、最近はマルトース含量が高い、ハイマルトースシロップも生産されています。

    澱粉の分解度と製品分類

    DEは、dextrose equivalent(ブドウ糖価)の略で、構成する糖の大きさを示す指標です。
    DEが大きいほど高分子、小さいほど低分子です。DEは、「糖の数」を「構成する糖のブドウ糖の数}で割ったものになります。

    DEと澱粉糖の諸性質の関係

    DEにより、澱粉糖の性質は大きく異なります。
    DEが小さいほど分子サイズが大きく、反応性が下がります。DEが大きいほど分子サイズが小さく、反応性が上がります。

    浸透圧や氷点降下は物理科学的数値で、系に含まれるモル数、すなわち分子の数に依存します。
    DEが大きいものは同じ重量では分子の数が多く、その結果、浸透圧、氷点降下度が大きくなります。DEが大きいと反応性が高いため、褐変しやすくなります。
    DEが小さいと分子サイズが大きいので、粘度が高く、気泡が安定し、凝集して老化しやすく、粘着性が上がります。

  • ぶどう糖の基礎知識

    ぶどう糖とは

    6個のC原子からなる単糖類で、生理学的には、動植物のエネルギー源として重要なものです。
    自然界に存在するぶどう糖は、植物中葉緑体において、光エネルギーにより、水と二酸化炭素から合成されます。

    ぶどう糖の製法と種類

    ぶどう糖の特性

    (1)甘味度
    甘味度は、砂糖に対する相対甘味度で約60~70である。

    (2)浸透圧と水分活性
    砂糖と比較して浸透圧が高く、かつ水分活性が低いため、防腐効果が期待できる。また、食品に使用した場合に組織への浸透性が高い。

    (3)溶解性
    水に溶解する場合に吸熱作用がある。

  • 異性化糖の基礎知識

    異性化糖とは

    主にぶどう糖からなるシロップを酵素、またはアルカリにて異性化してできる果糖です。
    1970年頃から、砂糖の代わりに主に飲料に使用されるようになりました。
    酵素による異性化は、固定化されたグルコースイソメラーゼによるリアクター反応により製造されます。

    異性化糖の製法と種類

    異性化糖の特性

    (1)甘味度
    異性化糖の甘味は、異性化糖が主に果糖とぶどう糖の混合品であるため、甘味の質は砂糖と異なり、砂糖よりも質がシャープであり、また、低温ほど甘味度が高く評価される。

    (2)浸透圧と水分活性
    異性化糖はぶどう糖及び果糖などの単糖類を主成分とするため、砂糖と比較して浸透圧が高く、かつ水分活性が低いため、防腐効果が期待できる。また、食品に使用した場合に組織への浸透性が高い。

    (3)溶解性
    砂糖と比較して結晶しにくいため、和菓子及び洋菓子などの製菓の分野で利用される。

    (4)着色性
    異性化糖中の果糖とぶどう糖は加熱により褐変しやすいため、高温での貯蔵には注意が必要である。しかし、食品の加工面においては着色は不利な場合と有利な場合があり、着色性を有効に利用することも可能である。

    異性化糖の甘味度

    異性化糖の味質

  • 水飴の基礎知識

    水飴とは

    澱粉を酸や酵素により加水分解して製造される粘液状の甘味料。
    澱粉糖の中でも古く、なじみ深いものです。ぶどう糖、麦芽糖、オリゴ糖の混合物で、製品に応じて糖組成が異なり、用途に応じて選択使用されます。
    加水分解の指標として、DEが国際的に用いられます。

    水飴の製法と種類

    水飴の特性

    (1)甘味度
    澱粉の分解度(DE)によって甘味度や甘味の質は異なる。(砂糖、ぶどう糖、異性化糖より低甘味)

    (2)浸透圧
    砂糖、ぶどう糖、異性化糖と比較して低い浸透圧である。

    (3)粘度
    澱粉の分解度(DE)によって粘度は異なる。(砂糖、ぶどう糖、異性化糖より高粘度)

    (4)結晶性
    結晶性が低く、砂糖やぶどう糖の結晶析出を抑制する。

    (5)着色性
    澱粉の分解度(DE)によって着色性は異なる。(ぶどう糖、異性化糖より低着色性)

  • 糖アルコールの基礎知識

    糖アルコールとは

    糖の還元基(アルデヒド基、カルボニル基)が水素付加(添加)されてアルコール基となったものの総称です。

    糖アルコールの製造方法

    エリスリトールは、ブドウ糖を原料として発酵法により製造されますが、他の糖アルコールは、ニッケル触媒を用いた接触還元による水素添加によって製造されます。

    糖アルコールの特性

    (1)甘味特性
    糖アルコールはすべて甘味を有する。キシリトールはショ糖と同じ甘味度であり、そのほかはすべてショ糖よりも低甘味である。

    (2)加工特性
    カルボニル基がないためメイラード反応を起こさず、耐熱性に優れており加熱加工時の着色性もみられない。耐酸性・耐アルカリ性も高く、非発酵性である。

    (3)生理学的特性
    ①非う蝕性
    う蝕(虫歯の発生)の原因菌であるS.mutansなどの口腔内細菌に利用されないため、非う蝕性糖質である。

    ②低エネルギー性
    消化吸収が緩慢であるため、低エネルギーの糖質である。

    ③緩下作用
    難消化性糖質特有の緩下作用があり、一度に多量に摂取した時にはお腹が緩くなることがある。

  • 食物繊維の基礎知識

    食物繊維の種類と主な生理作用

    ポリデキストロースと難消化性デキストリンについて

    <ポリデキストロースの定義>

    「ブドウ糖、ソルビトール及びクエン酸を減圧下で熱処理して得られたもので、ブドウ糖のβ-1,6結合を主とした重合物を主成分とする 」
    *特定保健用食品(規格基準型)の成分規格より

    <難消化性デキストリンの定義>

    「本品はトウモロコシデンプンに微量の塩酸を加えて加熱し、α-アミラーゼ(注1)及びグルコアミラーゼ(注2)で処理して得られた食物繊維(注3)画分を分取したものである。」
    (注1)α-アミラーゼ:EC 3.2.1.1、Bacillus 属由来
    (注2)グルコアミラーゼ:EC 3.2.1.3l、Aspergillus 属由来
    (注3)特定保健用食品(規格基準型)の成分規格より

    食物繊維の定義と測定方法

PAGE
TOP

最新記事

カテゴリー