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果汁についてのコラム(前篇)

研究開発

2017.11.02 written by GCI

果汁は、名前の通り、果物を絞った汁です。

最近では、数年前に話題になったグリーンスムージーなどジューサーやブレンダー(ミキサー)を使い、家庭で果汁飲料を作って飲む方も増えてきました。

また、市販品ではコンビニなどで果汁を使ったジュースや野菜ジュース(グリーンスムージーはヒット商品)はとても人気で、アイテムも増加しています。

 

果汁を使用した市販品は、果汁100%や、50~30%、1%未満のもの、乳製品が入ったもの、アルコール飲料など多種多様な飲料があります。

これらの商品化された果汁飲料は、果実から絞った果汁を原料として製品化された単純な商品のようですが、実は以外にデリケートな商品です。

 

果実は、柑橘類のようにかなり長持ちするものもありますが、柑橘類以外は、一般的には日持ちが悪く、日が経つうちに品質が悪くなり、腐敗して食べられなくなってしまいます。
果汁も果実と同じ性質をもっているので、絞ったままの果汁をそのままにしておくと短日のうちに腐敗・変敗してしまいます。

 

果実飲料を商品化するためには、こうした問題を解決し、いかに果実特有の風味、香り、色など「おいしさ」「フレッシュさ」をいかに保持するか、安全に長期的に保存できるかが課題となっています(PHを下げるのが一般的な解決法ですが、それだけではなく奥が深いです)

 

さて、果実飲料の歴史をみますと、伝説的ですが、いまから6000年前、現在のイランかイラクあたりに住んでいたバビロニア人が果実の飲料を飲んだというのがその始まりと言われています。

また、中近東、地中海周辺の古代民族の間では、柑橘系の飲料が飲まれたという説があり、ギリシャ神話に「ネクター」が出てくるように、かなり古い時代から飲まれていたようです。

それから、商業的に製造・販売されるようになったのは、1800年後半からと言われています。

 

日本で果実飲料が登場したのは、明治年代になってからです。
明治元年(1868年)に英国人のノースレーが、横浜でレモネード(ちなみにラムネの語源です)を製造、販売したのが最初とされています。

明治28年には、和歌山県の名古屋伝八が、温州ミカンを絞ったミカン果汁を使用した果汁飲料を作りましたが、殺菌が不十分であったため、夏場に向かい腐敗等によりびんが破裂するトラブルがあり製造は中止されたそうです。

明治・大正時代は、日本でとれる果物の産地から、ぶどうやりんごのジュース製造がありましたが、明治末期から大正年間の果実飲料は、殺菌技術が確立されていなかったことにより、透明でなければならないという厳しい条件も出てきて、製造技術の面では、まったく手探りの状態でした。

 

昭和以降に関しましては後編でお伝えいたします。

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