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おはぎの話

食品いろいろ

2017.11.02 written by GCI

おはぎは好きですか?

おはぎは、和菓子屋だけでなく、今やスーパーでもコンビニでも売られている、気軽に買える商品です。小豆でできている餡子は、豆類で栄養豊かですし、その餡子に包まれている中身は、うるち米やもち米です。おはぎは甘いけれど、デザートというよりは主食の一部としても、十分な材料から出来ています。

 

スーパーやコンビで食事を選ぶ時、いろんな味を少しずつ食べたい時などありませんか。おはぎは、デザートも兼ねた主食という感覚で、他の食事と一緒にあわせて選びやすい商品になっています。

 

【おはぎが持つ名前】

 

おはぎには、おはぎという名前の他に、ぼたもちと言う名前があることをご存知でしょうか。春と秋のお彼岸におはぎを作ることがあると思いますが、牡丹の花が咲く春には「ぼたもち」、萩の花が咲く秋には「おはぎ」と言います。

 

季節ごとの呼び名があり、春、秋の他に、現代では使われていませんが、夏は「夜船」、冬は「北窓」と言う名前ももっています。春と秋のように、花に見立てた呼び名も美しいですが、夏と冬の呼び名も情緒が感じられ美しい呼び名です。おはぎは、いくつもの名前をもつ菓子であると言えます。

 

【おはぎの餡子】

 

おはぎに使用する餡子はどのような種類のものでしょうか。

 

小豆を使った餡子を使用する菓子としては、饅頭やどら焼き、最中や羊羹などが思い浮かびます。

 

餡の種類は、加える砂糖の量により分けることができます。「並餡」、「中割り餡」「上割り餡」と言われ、もっとも基本的で一般的な餡は「並餡」です。おはぎの餡子もこの並餡が使われます。

 

餡に加える砂糖の量は、小豆の生豆では無く、軟らかく炊いて糖を入れる前の状態である生餡に対しての割合で表現されることが一般的です。

 

並  餡:生餡100に対して、砂糖を60~75加えて練ったもの

中割り餡:生餡100に対して、砂糖を80 ~90、水飴を5 ~10を加えて練ったもの

上割り餡:生餡100に対して、砂糖を90 ~100、水飴を10~ 20を加えて練ったもの

 

並餡には、「つぶ餡」や「小倉餡」、こして皮などを除いた「こし餡」などがあります。スーパーなどで売っているおはぎも、つぶ餡やこし餡のものがありますね。

どら焼きや最中などは、砂糖の量が多く甘みが強い中割り餡や上割り餡などを使います。

 

【おはぎは朝生菓子】

 

糖の量が多い餡ほど日持しますが、おはぎは並餡を使用するので日持しません。おはぎは、朝に作ってその日のうちに食べるという、日持ちのしないことを前提として作られる菓子です。そういう菓子のことを、朝生菓子と言います。生菓子という言葉ですが、加熱していないという意味ではありません。菓子は水分量によって以下のように分類します。

 

水分10%以下   :干菓子

水分10%~30%:半生菓子

水分30%以上 :生菓子

 

おはぎの水分は40%~50%くらいありますので、生菓子に分類されます。おはぎは水分量が多いため生菓子であり、日持ちしないので朝生菓子としての扱いが必要になります。

 

【色と風味】

 

おはぎの餡子の色は、お店によって様々です。

 

和菓子屋さんで見かけたおはぎは、黒々として艶のある餡子でした。スーパーやコンビニで売られているおはぎは、黒々というよりも、もう少し薄い色で、餡も甘すぎず、みずみずしい食感というところでしょうか。

 

餡子は、小豆を炊くときに煮汁を入れ替え小豆についた灰汁を落とす工程(渋切)があります。その工程での煮汁を変える回数、湯の温度などによっても、風味や色などが変わります。小豆の灰汁、煮汁には、餡子の色、風味、うまみ、が詰まっています。しかし、工程の渋切という名前の通り、小豆本来の渋み、苦みがこの灰汁です。低甘味の餡に仕上げようとするならば、渋切を十分に行い渋み、苦みを残さない方が、あっさりとした餡として味のバランスが取れます。

 

この工程の効果を低く抑え、小豆本来の風味を強く残すような餡は、甘みを上げて味のバランスを取ります。そうすることで、黒々とした風味豊かな餡のおはぎに仕上がります。

 

今日の夕食におはぎを買って帰るのはどうでしょうか。

主食として、デザートとして、餡子の味を確かめながら食べてみてください。そして、次回は違うお店でおはぎを買って比べてください。

きっと、違いがあり、好みのおはぎがあるはずです。

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